卓越した技術と抜群のトレンド感覚で絶大な支持を集める、人気カルジェリストを取材するこのコーナー。
今回は、荻窪駅徒歩1分の隠れ家ネイルサロン「nailblanc(ネイルブラン)」のオーナー兼ネイリスト、神保靖子さんにご登場頂きました。
ネイル歴は20年。
カルジェルエデュケーターのライセンスを持ち、カルジェルの技術検定であるプレミアムステイタスの試験官を務める神保さんが、サロンをオープンしたのは2002年のこと。
店内にはフルフラットになる大きなマッサージ付きチェアが1台。
丁寧なカウンセリングを行いながら、じっくり2時間以上かけて施術を行うことが多いのだそうです。
アットホームな雰囲気と、話しやすい気さくな神保さんの人柄も相まって、創業当初から足繁く通う常連客は多数! 近隣在住の女性はもちろんのこと、遠方から訪れるお客様も多いようです。
今回は、そんな彼女のネイルに対するこだわりやキャリアについてなど、興味深いお話を伺うことができました。
ネイリストを目指した理由と、カルジェルとの出会い
——まずは、神保さんのキャリアについてお伺いさせてください。ネイリストを目指したきっかけは?
大学卒業後にOLを経験し、結婚を機に退職した後、ネイル業界に入りました。
ネイルに携わって今年で20年目になります。
お恥ずかしいんですが、元々ネイルが好きだったとか得意だったわけではなく、退職して何か技術を身に付けたいと思って、色々探した結果に出会ったのがネイリストという職業で。
当時は今ほどネイルサロンも数がなくて、それほど競争率の激しい世界ではないのかなという印象だったんです。
元々ヘアメイクなどの世界には興味があったので、楽しそうだし続けられそうだと思ってネイルスクールに通い、卒業した後に独立を見据えてサロンに就職しました。
当時は今のようにネットですぐにネイルサロンが見つかる時代ではなかったので、タウンページを見て一軒一軒電話かけてという状況で、運良く見つけたサロンに3年位は在籍させて頂きました。
ここのサロンを立ち上げてからもしばらくはお客様も少なかったので、他のサロンでの営業も並行して行なっていました。
——カルジェルとの出会いはどのようなものでしたか?
モガブルックさんに通ったのは2004年位なので、比較的早い段階でカルジェルを導入させて頂きました。
以前、羽田空港のCA(客室乗務員)さんの休憩室で出張ネイルを行なっていた時期があって。
そこでCAさんから「カルジェルっていうすごいのが日本にきたらしいよ。取り扱ってもらえない?」っていう話を頂いたのがきっかけ。
その時は「カルジェルって何!?」っていうレベルだったのですが、調べれば調べるほど惹かれていきました。
当時はソークオフジェルなんてものはなかったし、正直ジェルネイルに対してあまり良いイメージなかったんです……。
落とす時に自爪に負担をかけるし、水仕事や家事を行う女性には合わないんじゃないかという疑念があって。
その点、カルジェル爪に優しいしオフが楽チン! これはいいかもって思って資格を取る決意をしました。
優しさだけじゃないカルジェルの良さ
あとは、私の個人的な感想なんですけど、薄づきでも存在感を出しやすいっていうのが、カルジェルを好きなもうひとつの理由です。
色の質感やツヤ感、それに深みや奥行きみたいなものがあるところも気に入っています。
これって他のジェルにはないものなんじゃないかなって思うんですよね。
厚みを足して存在感を出さなくてもいいっていうのも利点じゃないかなと思います。
——カラー開発担当の方、喜ぶと思います(笑)。
やっぱり色や質感に関するこだわりもすごいんでしょうね!
お客様と一緒に年を重ねています(笑)
——今年でオープン16年目だそうですが、nailblancさんにはどんなお客様がいらっしゃいますか?
ありがたいことにオープン当初から来てくださる方も多くて、私もお客様も一緒に年を重ねている感じなので、客層としては割と年齢層高めですね(笑)。
新規の方もいらっしゃいますが、多いのは以前から通って頂いている方やご紹介のお客様。
30代後半の方から上は80歳近い方もいらっしゃいます。
近所に住む主婦の方から一人暮らしのOLさん、CAさん関係の方まで幅広いですよ。
——神保さんがネイリストとして大切にしていることは何ですか?
「いつもネイル綺麗にしてるね」と言われるようなシンプルなネイルを提案しています。
どうやったら手が美しく見えるかということに重点を置いていて、デザインや色はもちろんですが、カッティングもお客様にあったものをご提案するようにしています。
人によって爪や指の形が違うので、お手本通りのカットにするのではなく、バランスを見ながら「少しスクエア気味にした方がいいかな」とか「先を細くした方がいいかも」といった感じで調整しています。
常連の方が多くお任せオーダーがほとんどなので、こちらからその方に似合うものをオススメすることも多いです。
美容院もそうですが、自分に似合うもの・似合わないものについてはプロの意見を聞きたい方も多いと思うんですよね。
なので、お客様の好みや要望を優先しながらも、最終的にはその方に最も似合うものを一緒に見つけていくことが大切だと思います。
サロンの強みは心のデトックス!?
——サロンの特徴としては、どんな部分が挙げられますか?
うちはチェアが1台なので、1度に1人のお客様しか施術できません。
なので、お客様に遠慮なくプライベートなお話を存分にしてもらえる点が、このサロンの強みと言えるかもしれません(笑)。
皆さん、色々あるじゃないですか。会社の人間関係だったりご家族の悩みだったりとか。
街のサロンだと人の目や耳があるので中々喋れないようなことでも、この閉鎖された空間で2人きりだと安心して喋れてしまうみたいで(笑)。
予約時にお客様からの指定がなければ2時間半の枠をお取りしているため、1日3〜4組しか施術をできないという現状もあるんですけど、だからこそお客様にリラックスして、「嫌なことも嬉しいことも、ここだから安心して話せる」と仰ってもらえています。
施術中ずっと喋っている方も、ずっと寝ている方もいらっしゃいますけど(笑)。
私がお客様のお話を聞くことで、それで少しでも気分がよくなるのなら嬉しいですね。
——まさに心のデトックス(笑)! ストレスが多い現代女性からの需要、結構ありそうな気がします。
手が綺麗だと自律神経が安定するなんて言われていますが、それとの相乗効果で、ここでネイルして色々話して、少しでも気持ちが軽くなってもらえたらいいなって思っています。
独立する前はすごく忙しいサロンにいたんですよ。
とにかく常に沢山のお客様の施術をしていたので、気づけば「今日、お客様の爪しか見ていない」なんて日も。
お客様1人1人とじっくり向き合うというのが物理的に難しかったんです。
今のサロンのスタイルを選んだのは、その反動もあったから。
器用なタイプではないので、忙しすぎてしまうとダメなんですよね(笑)。
お客様にも落ち着いて施術を受けて欲しいのは大前提ですが、自分にとっても働きやすい環境であることが大切だと考えています。
——今後の展望、これから挑戦してみたいことを教えてください。
nailblancをオープンした時は、この荻窪周辺にネイルサロンなんて1軒もなかったんです。
それにネイルをする人の数も全国的に少なかったですね。
でも今はネイルサロンもネイリストも、セルフネイルをする人もすごく増えているので、お客様の目が肥えてきているなっていうのはすごく感じています。
ちょっとうまく塗れたらそれでOKというわけにはいかないし、お客様にも技術やセンスの良し悪しがはっきり伝わるので、プロとして気持ちを引き締めていかなければとは思っています。
「ネイリストにやってもらうと、こんなに違うんだ」って言ってもらえるように、これからも精進していきたいと思います!