ネイルの仕事に携わって約半年。カルジェリストさんたちの取材に立ち会わせてもらうことで、ネイルの仕事に携わっているみなさんの技術力、そして職業意識の高さには信頼感さえ抱くようになっています。前回の「男も爪は気にするべし!男のビジネスネイル(入門編)その2」ではネイルサロン未経験のおっさんが「爪を保護、強化したい!」というシンプルな目的の元で覚悟を決めて、初めてのサロンへと足を運びました。そこから約1カ月、再びサロンへ足を運んできて思うことはいろいろありつつも、自分に合った活用の仕方ができるのであれば「全然アリだな」と思っています。それではその3へと行ってみましょう。
2回目のネイルでは、前回の内容に3つの工程を追加
3月某日、前回同様に恵比寿にお店を構える「プライベートネイルサロンCHOUETTE(シュエット)」を訪問しました。「男のビジネスネイル」企画での施術も2回目。今回は担当の長谷川正美さんと話をして、前回の内容に加えて3つの工程を追加してもらうことに。
<追加した工程はこちら>
①最初に施術してもらった爪をオフする
②施術後にハンドマッサージを受ける
③重ね塗りをしてもらう
施術は前述したオフ(ネイルを除去する作業)<①>からスタート(ビビりなので家ではやりませんでした)。話に聞いていた除光液っつーモノをガーゼにつけてサッとひと拭き、たったそれだけで除去は完了しました。思っていた以上にあっさりとしているんですね…。
そして前回同様に左手から爪のお手入れが始まりました。まずエタノールで手指の消毒をしてからファイル(爪やすり)で爪の形整を行う「ファイリング」で再び爪の粉がたくさん…。次にピンクの厚めのスポンジ・バッファーを用いての「バッフィング」で爪の表面を軽く磨いてもらいました。そこから専用のスポンジでさらに磨き上げて準備完了といったところ。
そこから左側の指先をあたためたお湯を溜めたフィンガーボールに浸します。甘皮をふやかす為にキューティクルリムーバーを爪の周りにつけてから指先をお湯の中にイン。左手がひと段落したところで今度は手際よく右手の爪の形整を開始し、同じ手順を繰り返します。右手の施術が終わるころに左側の指先も次の工程へと進む準備が完了です。フィンガーボールに入った“指のお風呂”から上がって、タオルで軽く水分を取ってから、甘皮周りのお手入れがスタートとなります。
ネイルサロンでハンドマッサージを受けてみた
ニッパーで余分な皮を取り除く施術を受けていると、前回同様、いやそれ以上の大きなショックを受けることに。それは取り除かれる皮の量の多さ。無理して取ってるわけでもないのにたった1カ月弱という短いインターバルで「どうしてこの量が出るの…」と思わず長谷川さんに愚痴をこぼしてしまいましたがこれも「美意識の向上」ともポジティブにとらえていいのかも(笑)。
よーく考えてみたら定期的に爪を切っているわけだし、前回とほぼ変わらない量が出るのは当たり前なんですが、このときの自分は純粋にショックを受けたまま、左手のお手入れが完了。そして右側も同じ施術を繰り返すと「いい量の“スパム”が出るもんなんですね…」と軽口を叩きつつもやはり動揺は隠せませんでした。
ここから新しい工程ふたつめへと入っていきます<②>。「爪をケアすることはその周りをケアすること」ということで今回はハンドローションで指先から手首までのマッサージを受けました「あー気持ちいい」。施術完了後、そのまま手をラップで包んでから、ハンドミトンに優しくインします。同じく右手も同じマッサージを受けてハンドミトンに入れてから、ローションが馴染むようにそれぞれ約10分置いて、ミトンとラップを外しマッサージは終了となりました。施術直後の手は保湿感がハンパなく、しっとり・ツルツルしていて自分の手なのに自分の手ではないみたいです。
とても自分の手と爪とは思えない美しい仕上がりに新しい扉が開く!?
もちろんこれで終わりではありません。ラストスパートということで、指先の油脂をしっかりアルコールで除去してから、爪をベースコート、カラーポリッシュの2度塗り、トップコートの順で仕上げてもらいました<③>。前回とやってもらったことを複数回やってもらうだけという認識でいたのですが、「重ね塗りってすごいな」って実感することに。でこぼこな右手人差し指と親指の爪がいつもよりもわかりやすく平らになっているんです…! 最後にキューティクルオイルで保湿をして、表面が乾くまで待機。その間は雑談をしながら、滞在している間ずっと流れていた映画『グラン・ブルー』のわかりづらい結末の話をアシスタントに入ってもらった20代前半女子に中年らしく説明していました。
今回の施術は約2.5時間、前回より1時間長くなりました。長編映画がちょうど1本終わる時間と考えると、前回同様に「ただのカルジェリスト(ネイリスト)さんの手作業」と簡単には片づけられない、「ネイリストさんは体力勝負なんだな」と自分の知らなかった世界の苦労を前回と同様に思い知らされる次第です。
編集部注)今回の施術について、通常の施術時間はトータル60分位とのこと
●ネイルケア30分
●オプションのマッサージ+ハンドパック20分
●ポリッシュカラー10分
こちらが質問攻めして、それにひとつひとつ答えてもらったことで長くなったというのが正しい説明になります。あらためまして長谷川さん、どうもありがとうございました。
最後に、全ての工程を終えて、指先~手のひら全体が乾燥しきっているところからしっとりと潤っている状態に生まれ変わった手先を写真に収めてもらったのですが、毛の生えた指先を見て「脱毛…」と自分の指周りを見て頬を赤らめるという、これまでになかった新しい気持ちが芽生えたことをこの場を借りてご報告します(笑)。ひょっとするとすでに“新しい世界”のドアを叩いてしまったのかもしれません、なんて。
施術後、帰社してやたらきれいになった爪を社内で見せびらかしたところ「やりすぎ!」と言われまくったことを長谷川さんに報告しましたが、かなりウケてくれているようです。一方でその後、関連する別の取材で今回の爪を見せてみると、意外なことに笑われるどころか真顔で「すご~い!」とか言われちゃいました…「マジかよ!なんか褒められてるんですけど!!」。今はまだ、人に爪を見せることに一切慣れていませんが、今後はそんな心境にも変化が出てくるのかもしれないなと思ったり。というかむしろ、爪先を積極的に押し出しながらガツンと営業成績を上げに行く時期が早くも来たのかも…!